薬師 絵里 さん
第7期修了生
讀賣テレビ放送株式会社・弁護士
ご経歴
2012年 神戸大学法科大学院修了,司法試験合格
2013年 司法修習修了(新66期),弁護士登録
2014年 讀賣テレビ放送株式会社入社
薬師 絵里 さん
第7期修了生
讀賣テレビ放送株式会社・弁護士
ご経歴
2012年 神戸大学法科大学院修了,司法試験合格
2013年 司法修習修了(新66期),弁護士登録
2014年 讀賣テレビ放送株式会社入社
2012年に本法科大学院を修了した後、約1年の司法修習を経て、弁護士登録をして3か月程度顧問先の弁護士事務所で研修を受け、讀賣テレビ放送株式会社に入社しました。
法務、知的財産関係、関連会社の統括、監査役会の運営業務、社内横断プロジェクトチームへの参加、番組制作のチェック等をしています。
法務関係の仕事は、契約書チェックや法律相談対応、訴訟対応等を行っています。最近では、派遣法改正に対応して、社内ルールの再策定や契約書の変更をしました。
知財関係の仕事は、トラブルの対処やマニュアルの作成、番組コンテンツの違法アップロード対策、著作権二次利用契約の相談対応等をします。
二次利用というのは、例えば、テレビで放送した番組をDVD化したり、インターネット配信したりする場合を指すのですが、権利関係の確認をしたりします。
番組チェックの仕事は、一部のテレビ番組の収録をリアルタイムで見て、番組出演者の発言が個人攻撃にならないか、不適切表現や番組として政治的な偏りがないか等のチェックをする、という仕事をしています。
自由に、様々な業務ができるところが魅力です。例えば新しいプロジェクトが始まれば、また新たな法律の分野や人と出会い、勉強になります。やることがそれほど固定化されていないので、基本社内だけで過ごしている割には刺激的な日々が送れています。
あとは、法律問題だけじゃなく、社内での検討過程も分かるので、会社の経営陣の考え方も知ることができることが面白いですね。
報道・バラエティなどのテレビ制作の分野から、一企業としての部分(会社法など)、放送事業者としての部分(放送法など)、その他のビジネス分野などテレビ局は幅広い側面を持っています。なので、何かを検討する際には、初めてぶつかる壁が多いのが難しいですね。法律のことはもちろん、こういうテレビ業界の特殊な点については、その都度聞いて勉強しながら仕事しています。
もともと、自分の将来のビジョンとして、法廷で訴訟追行をするビジョンより、企業内で働くビジョンの方がしっくりくると感じていたので、法律事務所で働くより、企業内で法務の仕事に携わりたいと考えていたからですね。それと、企業内弁護士だと、ビジネスにも携われるという点も魅力でした。
司法試験の選択科目は、労働法で受験して、現在も役に立っているので良かったと思っていますが、神戸大学法科大学院は、知的財産法についても力を入れていて、著名な先生もいらっしゃるので、講義を受けておけば良かったなと思います。
それと、会社法は使うことが多いですね。法科大学院時代は、公開会社について学ぶことが多かったですが、讀賣テレビ放送株式会社のように、実際は非公開の会社が多いので、会社法の講義で、非公開会社についても、もっと意識しておけば良かったなと思います。
弁護士に相談しようと思うより前の段階で関われることが違うと思います。初動段階で、どのように対処するかで、後々のトラブルがどうなるかが変わってきます。このように、慎重な初動対応を社内で一緒に考えられることは、社内でしかできないと思うので、すごく勉強になります。
そして、トラブル対応でも、例えば裁判になった場合を考えたとしても、裁判で勝訴すればいい訳ではなく、たとえ勝訴判決でも、取材が行き過ぎの部分もあった、と理由中で判示されてしまうと、今後の取材活動に委縮効果が生じてしまいます。そういう事態は会社としては、絶対避けたいので、会社独自の視点を強調しつつ顧問弁護士と一緒に考えます。
たしかに、新しいビジネスを始める際には、法的紛争が起きていない段階の問題点を考えますが、テレビ番組を放送してからトラブルが発生することも多いので、如何にトラブルが広がらないように収束できるか、というトラブル対処のお仕事も多かったりします。
視野を広げつつ、専門性も高めていきたいです。
具体的には、いま讀賣テレビ放送株式会社では、日本中や世界で自社のコンテンツを見てもらうということに力を入れ始めています。また、時代の変化に伴いテレビ放送以外の分野にも進出し始めています。それに迅速に対応するため、日本だけでなく、海外にも、既存の仕事だけではなく新たな分野にも視野を広げていきたいです。
また、著作権分野において、専門性を高めるとともにそれをビジネス面でも生かしていきたいと考えています。
色々な困難があると思いますが、諦めずにしぶとくやれば、報われる!ということを伝えたいです。結果はどうあれ、法科大学院での出会いや努力が無駄になることはないと思っています。 そして、 勉強の合間に、関西の方は10チャンネルを見てください!(笑)
インタビューに協力してくださって、ありがとうございました。今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。インタビュー実施日:2016年3月25日
インタビュアー及び記事編集者:余田 知砂