概  要

「LSから研究者というキャリア」

髙野 慧太 さん
第11期修了生
中京大学准教授(2024年(令和6年)12月現在)
ご経歴
2016年3月 神戸大学法科大学院修了
2016年9月 司法試験合格、神戸大学大学院法学研究科助教
2020年4月 信州大学先鋭領域融合研究群社会基盤研究所助教
2021年4月 中京大学法学部准教授
ご専門
知的財産法
代表業績
髙野慧太『著作権の保護範囲と正当化理論』(弘文堂、2024年)

  • 研究者になろうと思ったきっかけはなんですか?

    元々は弁護士志望で法学部に入りましたが、ゼミの授業の中で、議論や理論を自分の言葉で整理するのが面白いと思ったのが最初のきっかけでした。インターネットやAIがもっと発達したら、どういう社会になっていくのか、どういう法律を作っていくべきかを自分で考えられたら面白いと思うようになり、研究者を志しました。
  • 法科大学院ではどのような学生生活を送っていましたか?

    司法試験に合格して助教採用されることを目指して勉強していました。自分としても司法試験に合格したいと考えていたため、朝から晩まで自習棟で勉強をしていました。大学の近くに下宿していたこともあり、朝は8時半ごろに自習棟に行き、夜は9時くらいに帰宅するという生活でした。また、3Lのときには研究者志望者向けの授業である修士課程のゼミにも参加していました。
  • 法科大学院での学習が研究者としてのキャリアにどのような影響をもっていますか?

    キャリアというほど研究者としての日は長くありませんが、法解釈をするにあたっては基本の七法全体を理解しておく必要があるため、一回それら全部に取り組めたのは良かったと思います。私の専門とする知的財産法の分野では、基礎的な法律の理解がさらに重要です。知的財産法は憲法・民法・刑法などの基礎的な法律の上に成り立っているので、そこでの議論を踏まえた議論になっていなければなりません。いま、行政法や民法、民事訴訟法などの知見を使って知的財産法の議論をできるのは、法科大学院の授業のおかげだと思います。
  • 現在の研究者としての仕事にどのような魅力を感じていらっしゃいますか?

    自分がやりたいと思う分野を仕事にしていいことだと思います。弁護士の方にもいらっしゃると思いますが、より内発的に自分がやりたいことを仕事にすることができると思っています。自分のスケジュール次第で興味の向くままに研究できますし、機械や本を予算と規程の範囲内なら自分で好きに買うこともできます。責任は伴いますが、それに裏打ちされた自由さがあるのではないでしょうか。
  • 法科大学院の在学生や法科大学院への入学を考えている人へ向けてのメッセージをお願いします

    「自分が何をしたいのか」にしっかりと向き合ってください。そして、もっと世界を広げていってください。勉強していろんな考えを取り入れていく中で、新たな知見を得ることができます。その知見によって自分がやりたいことをより深めたり、自分の世界を広げることができると思います。 研究者になるか迷っている人は、法科大学院に入学すれば、実務家になるか研究者になるかは一旦保留できるので、法科大学院への入学を目指せばよいと思います。今までに必死に勉強するという経験がないのであれば、そういう経験をするために入学してもいいかもしれません。 決して楽な道ではありませんが、みなさんが「やりたいこと」を実現できるように応援しています。