入試情報


神戸大学法学部では、法科大学院に進学し、法曹(裁判官・検察官・弁護士)を目指す学生を対象に、「法科大学院進学プログラム(法曹コース)」(以下単に「法曹コース」といいます。)を設置しています。


法科大学院進学プログラム(法曹コース)について(神戸大学法学部在学生向け説明文書)

「法曹コース」とは

法曹になるには、国家試験である司法試験に合格し、司法研修所(最高裁判所に置かれた研修機関)における1年間の司法修習を終了することが必要です。
司法試験を受験するには、法科大学院(未修者コースは3年間、既修者コースは2年間)を修了するか、司法試験予備試験に合格することが必要です。なお、一定の要件を満たした希望者は、法科大学院在学中に司法試験を受験することも可能です。

法科大学院に進学するには、通常は大学の学部を卒業することが必要ですから、法科大学院(既修者コース)を経て司法試験を受験するまでに、これまでは、
学部4年間+法科大学院2年間=計6年間 の時間が必要でした。

「法曹コース」は、法学部と法科大学院の連携を強化することにより、
学部(「法曹コース」)3年間+法科大学院2年間=計5年間 で司法試験の受験資格が得られるようにした教育プログラムです。ただし、従来通り学部を4年間で卒業することを目指す人も、対象になります。

司法試験受験および合格後の司法修習まで含めて、法曹資格取得までのタイムスパンを示すと、以下の図のようになります。

法曹資格取得までのタイムスパンの図

神戸大学法科大学院との連携

神戸大学法学部は、神戸大学法科大学院と連携協定を締結しており、「法曹コース」修了見込者は、神戸大学法科大学院が実施する「法曹コース」生対象の入試を受験することができます。詳しくは、下記Q&A「Q7 「法曹コース」と法科大学院入試の種類」を参照してください。
また、神戸大学法科大学院に進学した後も、神戸大学法学部の「法曹コース」の教育内容とシームレスに接続できるような配慮がなされています。

「法曹コース」のカリキュラム

「法曹コース」に登録すると、神戸大学法学部の専門科目のうち、一定の科目を履修することが修了要件として課されます。「法曹コース」のカリキュラムは、法科大学院1年次の教育内容に対応するものとして設計されています。主な科目は、以下のとおりです。


学年   前期
(第1・第2クォーター)
後期
(第3・第4クォーター)
1年 講義 実定法入門
憲法(統治)
民法Ⅰ(総則・物権)
刑法Ⅰ
演習   法解釈基礎
2年 講義 憲法(人権)
民法Ⅱ(債権各論)
刑法Ⅱ
行政法Ⅰ
民法Ⅲ(債権総論・担保物権)
刑事訴訟法
演習 法解釈基礎 法解釈基礎
3年 講義 行政法Ⅱ
民法Ⅳ(親族・相続)
商法Ⅰ
民事訴訟法Ⅰ
商法Ⅱ
民事訴訟法Ⅱ
演習 応用法律 応用法律
4年 演習 応用法律 応用法律

赤字:必修科目
青字:選択必修科目(上の表に掲載されている科目のほか、基礎法学・隣接科目のうち一定の科目が選択必修科目となっています。)
黒字:履修推奨科目
*このほかに、法学部の卒業要件を充足する必要があります。

Q&A

Q1 神戸大学法学部における「法曹コース」
文部科学省が定める「法曹コース」と神戸大学法学部における「法科大学院進学プログラム(法曹コース)」とは同じものですか。
はい、同じものです。文部科学省が定める「法曹コース」に当たるものを、神戸大学法学部では「法科大学院進学プログラム(法曹コース)」という呼称で制度化しています。
煩雑なので、「法科大学院進学プログラム(法曹コース)」を略称して「法曹コース」と呼ぶこともあります(このページでもそのように呼んでいます。)。ただし、各大学で設置している法曹コースのカリキュラムや修了要件は、それぞれに異なります。このページでは、神戸大学法学部の「法曹コース」について説明しています。
Q2 神戸大学法学部の履修コース制との違い
神戸大学法学部の「司法コース」とは違うのですか。
はい、違います。
神戸大学法学部の「司法コース」とは、3年生になる時に選択する三つの「履修コース」の一つです。「履修コース」には、「司法コース」「企業・行政コース」「政治・国際コース」があり、どのコースを選択するかで、卒業要件となる履修科目が異なってきます。
「法曹コース」は、「履修コース」制とは独立に設けられた教育プログラムであり、「法曹コース」登録者も、「履修コース」は改めて選択しなければなりません。「法曹コース」登録者には、「司法コース」の選択をお勧めしています。
Q3 「法曹コース」への登録
「法曹コース」には、いつ、どのようにして登録することができますか。
「法曹コース」には、法学部2年次開始時と3年次開始時に登録することができます。登録の具体的な方法については例年1~2月頃に神戸大学法学部の教務グループから法学部在学生に向けて案内がありますので、その案内に従って登録をすることになります。
Q4 「法曹コース」の定員
「法曹コース」に定員はありますか。
はい。「法曹コース」には1学年あたり40人程度の定員が定められています。
Q5 「法曹コース」と3年次早期卒業
「法曹コース」に登録すれば、神戸大学法学部を必ず3年間で卒業することになりますか。
いいえ、必ず3年間で卒業することになるとは限りません。
「法曹コース」に登録した場合、必要な科目・単位を修得することで、「法曹コース」を修了することができます。そのうえで、別途定められている3年次早期卒業の要件を満たすことにより、神戸大学法学部を3年間で卒業することができます。3年次早期卒業には、法学部の卒業要件を充足すること、「法曹コース」の修了要件を充足することに加えて、GPA(成績を一定の数値に換算した平均値)が3.3以上であることが必要です。
このように、「法曹コース」に登録したとしても、「法曹コース」修了者として神戸大学法学部を3年間で卒業するためには、「法曹コース」の修了要件と3年次早期卒業の要件とを満たす必要があります。
なお、「法曹コース」の修了要件と3年次早期卒業の要件とを満たす場合であっても、3年次早期卒業を希望しなければ、神戸大学法学部を3年間で卒業せずに在学し続けることが可能です。
Q6 「法曹コース」と法科大学院入試の有無
「法曹コース」を修了する場合には、法科大学院入試を受験せずに法科大学院に進学することができますか。
いいえ。各法科大学院が実施する入試を受験し、合格する必要があります。
「法曹コース」修了者として神戸大学法科大学院に進学する場合も、神戸大学法科大学院が実施する入試を受験し合格していることが前提となります。
Q7 「法曹コース」と法科大学院入試の種類
「法曹コース」に登録した場合、どのような法科大学院入試を受験することができますか。
「法曹コース」に登録した場合、その修了見込者は、各法科大学院が実施する一般入試のほかに、次の2種類の特別入試を受験することができます。
①「5年一貫型教育選抜」:連携先である神戸大学法科大学院が実施するもののみを受験することができます。これは、書類審査と口頭試問のみで選抜を行うものです。
②「開放型選抜」:神戸大学法科大学院を含む、各法科大学院が実施する「開放型選抜」です。「開放型選抜」の実施の有無や実施する場合の内容は、法科大学院によって異なります。例えば、神戸大学法科大学院は、書類審査と筆記試験による「開放型選抜」を実施しています。
なお、「法曹コース」修了見込者であっても、特別入試の受験が強制されるわけではなく、神戸大学法科大学院を含む、各法科大学院が実施する一般入試を受験することも可能です。

関連リンク


文部科学省 法曹コース ポータルサイト