教育実績

西本 都加 さん

2023年3月
博士課程前期課程修了

在学中は、WTO(世界貿易機関)協定を主として国際経済法という分野で研究を行っていました。

法学研究科を選んだ理由

本研究科を選んだ理由としては、後述する私の研究テーマの性質上、学際性及び国際性のある研究環境であることが必要であり、何より、当該分野及び関連分野で第一線を走る先生方が本研究科には多数所属しておられ、自身の研究をとことん突き詰められる環境が整っていると考えたからです。

在学中の研究内容

研究の内容についても簡単にご紹介させていただきますが、 GATTから受け継がれるWTO協定の経緯として、貿易以外の政策分野、例えば、環境(及び気候変動問題)、知的財産保護や国境を超えたデータ流通の取り扱い等において、WTOが使命に掲げる自由貿易の推進との調整が必ずしも上手く行われていない部分があるとの問題意識があり、この点について研究していました。

大学生時代のフランス留学及びEU関連教育プログラム履修の経験を背景として、EUは環境•気候変動問題について野心的な政策を打ち出し、これが時に経済紛争につながることもあったということを知り、当時他国に先駆けて導入の議論が進められていたEU国境炭素調整制度のWTO協定との整合性が新たな経済紛争の種になり得るという点に特に関心が及び、これを研究課題としました。

法学研究科の良いところや魅力

WTO協定は、国際貿易におけるlevel playing fieldを趣旨とする国際的な取り決めと加盟国のそれぞれの経済政策及びこれに関連する国内法との折り合いがイシューとなることが多い分野です。本研究科には海外からの留学生も多く所属しており、ゼミを中心とする授業では、それぞれの関心政策領域及び各国国内法からイシューを持ち寄り議論していましたので、一口に国際経済法を研究すると言っても、議論は多岐に渡りました。指導教官の丁寧なご指導のもと、多角的な視点から当該分野散りばめられている課題を包括的に議論し、考察を深めることができたのは大変有意義な時間であったと思います。

現在の活動・キャリア

本研究科を修了後は、日本の対外経済政策の実行役を担う政策金融機関に就職し、融資等を通じて日本企業の海外展開を支援する等の業務に携わっています。当初は、自身の研究分野とは少し異なるエリアでの業務になると想定していましたが、各国が自国企業の国際競争力向上のために対外経済政策を実施するにあたっては他国の経済政策との折衝が必要となり、政策金融機関もまた国際的なルールの中でオペレーションを遂行しているという中で、本研究科での経験を生かすことができました。各国の政策金融機関におけるデューデリジェンスの方法•内容に関するルールの共通化に関する議論に参加するという業務に携わったことがあり、まさにlevel playing fieldの世界で、修士課程で培った多国間ルール形成に関する分析は、多機関間での交渉に臨むにあたり、それぞれの立場を俯瞰的に理解したり、複雑に絡み合う論点を紐解き整理することに役立ちました。

本研究科での研究は単に知識を得るというだけでなく、自身のキャリア形成の可能性を広げ、充実させる大変有意義なものであったと実感しています。

(2026年9月掲載)

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