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模 擬 投 資 仲 裁Investment Arbitration Moot

2014年国際仲裁模擬裁判 Foreign Direct Investment International Arbitration Moot

大会の概要Overview

 2014年の国際投資模擬仲裁大会・アジア太平洋予選(FDI Moot Asia-Pacific Round)は、韓国・高麗大学(ソウル)で開催されました。神戸大学からは、法学部「国際法演習」(3,4年次。担当:玉田大教授)に出席している学部 生と大学院生がチームを形成し、参加しました。チームは、申立人側2名、被申立て国側2名の4名であり、2名のサポーターが随伴しました。大会後には、韓国商事仲裁院(KCAB: Korean Commercial Arbitration Board)を訪問し、国際商事仲裁・国際投資仲裁の実務を説明・案内してもらいました。

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大会のお知らせAnnouncement

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大会のスケジュールItinerary

 

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神戸大学チームの参加報告

法学研究科博士後期課程1年 徐 虹さん徐 虹

 FDI (Foreign Direct Investment) Moot Asia-Pacific Round は、FDI Moot 世界大会のアジア・太平洋地区予選です。アジア各国の代表校が一同に会して、本選出場の座を争います。各大学のチームは、弁論者とサポートで構成されます。出場チームは、スケルトン(提出書面)の作成や口頭弁論練習を行い、大会本番の準備を行います。長時間にわたり、チーム・メンバーと作業をともにすることを通じて、チームでの作業に馴染み、団結も強くなります。FDI Mootでは、書面と弁論がすべて英語で行われます。各チームは、仲裁人の前で弁論を行い、多くの情報量(判例や学説)を用いて、自分の立場について論証を行います。仲裁人は、法と事実に関する質問をします。弁論者は仲裁人からの質問を適切に答える必要があります。模擬仲裁では、「勝訴」、「敗訴」という判断ではなく、原告・被告のどちらが筋の通った分かりやすい弁論をしているかという点を判断して勝敗を決めます。大会後のレセプションでは、海外の大学からの教授、学生及び仲裁人との国際交流を楽しむことができます。

 韓国(ソウル)に滞在した最後の日に、KCAB(Korean Commercial Arbitration Board)を訪問しました。現地では、投資仲裁をはじめとして、様々な点について懇談を行い、仲裁実務についての話を聞くことができました。特に、韓国の国内仲裁と国際仲裁の状況を広く理解することができました。また、国際仲裁機関について全般的に認識することができました。

 今回の模擬仲裁に参加したアジア各国のチーム・メンバー(国によってはロースクールのエリート学生がいます)の英語は非常にレベルが高かったです。この点について、私のレベルは不足していました。弁論者は自分の主張を論じるとき、出来るだけ仲裁人が聞き取りやすいスピードでプレゼンテーションをする必要があります。論証内容についても、step by stepで自信を持って論じます。ただし、弁論本番では、ただ自分の主張を展開するのではなく、仲裁人からの質問を理解してそれに冷静に答え、弁論相手の主張をしっかりと聞いて中身のミスを探して反論することが重要です。さらに、弁論時間の分配や順番も実際に戦略がありますので、チーム内でよく考える必要があります。今後、神戸大学から参加する場合は、スケルトン書面をできれば短時間で書き終えて、残りの時間を弁論・反論及び質問の予測について練習することが望ましいと思います。

徐虹
2014年8月28日

法学部4年生 美除 隆行君Takayuki MIYOKE

 FDI Moot 2014 (Asia-Pacific Rounds)への出場に際し、最も苦労したことは、書面の作成と弁論の練習の時間を確保することでした。国際法の基礎知識はあったものの、国際投資法はについては、ほぼ全員が勉強すること自体初めてで、投資法の基本的な理解をゼミで共有するのに相当の時間を要してしまったため、書面や弁論に費やす時間が十分取れなかったことが反省点として挙げられます。

 大会本番では、アジア予選ながらも参加者の学生のレベルの高さに驚かされました。仲裁で有名な香港(優勝チーム)や近年力を入れている韓国のロースクールの学生の弁論を傍聴しても、違いは明白でした。投資法に限らず、今後模擬裁判・仲裁に参加するにあたり、非常に有益な経験ができたと実感しています。

法学部3年生 小池 宏隆君Hirotaka KOIKEMIYOKE

 今回参加して、一番よかったことは、来年もやりたいと思えたことです。成果自体は芳しいものとは言えず、大会直前に日本にいなかったた め、準備に時間をかけられなかったことが悔やまれましたが、喋りが得意な僕としては弁論の楽しさに気付かされました。そのうえ、他チームのパフォーマンス はこちらが唸ってしまうところもあったりし、大いに刺激を受けました。

 大会終了後、他チームと食事をし、韓国のチームと空いている時間を利 用し、少しばかりソウルを散策しました。この中で、彼らがどのような準備・勉強をしてきたかや、どういう大学生活をしているのか、FDI Mootの価値は何かなどを共有し合いました。大会のみならず、そのように同じく法学を学び、国際投資法模擬仲裁に取り組む各国の学生と競い合い、また交 流すること自体なかなかできない体験だと思いますし、その中でまた国際法に対する見方やその取り組み方も変わってくるのかなと思いました。

 ですので、これを読む法学部生には強く参加を薦めたいと思います。非常に大変ですし、時間もかかりますが、かければかけただけ自分に返ってくるものだと思うので、しっかり取り組んでもらいたいです。

 今回、全員が初で、会場や本番の雰囲気もわからぬままに突っ込むことになりましたが、だいたいの感じが掴めたので、この経験をきちんと後輩に共有し、今後につなげたいと思います。そして、可能ならば来年も参加したいです。

法学部3年生 中筋 智規君Tomoki NAKASUJI

 FDI Moot 2014のAsia-pacific Roundに、神戸大学チームのサポーターとして参加させていただきました。弁論者として舞台に立つことはありませんでしたが、自分も書面(Skelton brief)の作成に携われてとてもうれしかったです。私は主に被告側の管轄権判断について勉強してきました。管轄権は弁論においてもはじめに議論されるところで、思っていたよりも論点が多くて大変でしたが、論文やICSIDの判例を集めて自分たちの主張を補強する作業はとても楽しかったです。

  大会本番では、弁論をすることはなかったのですが、対戦校の管轄権の弁論者はどんな主張をしてくるのかとても楽しみに聞いていました。弁論で上げられる論点は今まで勉強してきたところであり、ゼミや自学で培ってきた知識がやり取りされている様子がとても新鮮で、感慨深いものがありました。

  もっと勉強してもっと力をつけていれば、もっとチームの力になれていただろうにということが悔やまれる点です。資料や文献が英語しかなく、しかも比較的少ないなど難しい面もありますが、国際投資法は時間をかければかけるほど知識や理解が深まる分野だと思います。これから模擬投資仲裁に参加しようという方は、弁論者・サポーターを問わず、時間を惜しまず、たくさん勉強して力をつけていってほしいと思います。

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