研究科の歩み

山川 尚子 さん

    2019年3月
    博士課程前期課程修了
    パナソニック株式会社
    (パナソニックIPマネジメント株式会社 ライセンス部 戦略企画課へ出向)

    現在のキャリア

    私はGMAP (Global Master’s Program) in Lawコースを修了後、パナソニック株式会社へ入社し、知的財産権に関する法務の仕事をしています。 現在所属しているライセンス部では、契約書を英語で作成したり、外国企業と英語で交渉したり、外国人の駐在弁護士と英語で会話したりと、英語を使って法律業務に取り組む機会が多々あります。毎週のように海外出張に行く先輩もたくさんいます。  正直なところ、入社前は、これほど業務で英語を使う機会があるとは思いませんでした。(パナソニックは大阪に本社を置く日本企業ではありますが、私が就職活動時に予測していた、いわゆる外資系企業・商社のレベル、頻度で英語を使っています。)

    GMAPで学んだことで役に立っていること

    GMAP in Lawコースで培った経験・スキルは、今の仕事に非常に役立っています。知的財産法の授業はなかったものの、法律英語の授業で学んだ、英米法体系の「契約法」、「訴訟、仲裁などの紛争解決手段」の知識は、まさに今の仕事に直結しています。米国判例を読んだり、英語でビジネスメールを書く練習をしたり、交渉のロールプレイングをしたりして身につけた「国際ビジネスにおける法務スキル」も役に立っています。  また、GMAPで2年間、修士論文、授業のレポート等を英語で書くことによって、法律英語の読み書きに慣れていなければ、英語の契約書を読むにも、作成するにも、もっと苦労していただろうと思います。  社会人になると自己啓発に使える体力、時間がなかなか確保できないので、国際ビジネス法・法律英語の素地をGMAPで身につけておいて良かったと痛感しています。 GMAP in Lawコースでの2年間がなかったら、英語での法律業務に、抵抗なく楽しんで取り組むことはできていなかったと思います。

    企業法務に就きたいと思い、このHPをご覧になっている方へ

    (僭越ながら)アドバイスを申し上げると、文系の大学院卒、かつ、法務に絞った就職活動はとても大変です。就職が比較的容易といわれている中、私の周りでは、泣く泣く就職活動の再チャレンジのために留年する人や、法務以外の職種に就職する人がほとんどでした。そもそも、法務職種を確約してくれる企業が少なく、「数年間は他の職種を経験した後に、(枠が空いていて、タイミングが合えば、)法務に異動できるかもしれない」と言う企業がほとんどです。少ない枠を勝ち取るためには、他の学生にはないアピールポイントを持っている必要があります。その点、GMAP in Lawコースでは、普通の大学院では経験できないことを、たくさん経験することができます。例えば、私は海外インターンシップとしてポーランドへ行き、コペルニクス大学で講師として日本語・日本文化の授業をしました。この「海外での就労経験」があるおかげで、「臨機応変な対応力」、「度胸」が付きました。 また、GMAP in Lawコースの授業は、世界各国から招聘された外国人の先生により行われるため、「グローバル視野で考える力」が身につくだけでなく、ディスカッションで多々自分の意見が求められることから、何事においても「自分なりの考えを持つ」ようになりました。 外国人のクラスメイトとの日常的な会話を通して必然的に「英語でのコミュニケーション能力」も身に付きました。(私の入学した当初は他に日本人がおらず、クラスメイトは皆外国人だったので、日本にいながら留学しているような環境でした。)  GMAP in Lawコースは、本当に力が付きます。今私がやりたい仕事に就けているのは、GMAP in Lawコースに入学したからです。実は学部卒業直前まで、ロースクールに進学するか、GMAP in Lawコースに進学するか、迷っていました。当時GMAP in Lawコースはできたばかりで、修了後の先輩の進路も参考にできない状態だったため、周りからは反対もされましたが、企業法務に弁護士資格は必須ではないし、むしろグローバル企業のビジネスには英語力が必須なので、今ではGMAP in Lawコースを選んでよかったと、心から思っています。  ビジネス界でグローバルに活躍したい方は、ぜひGMAP in Lawコースに入学を!

    (2019年11月掲載)

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