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Seminar on April 9th |
Symposium on April 10th |
Wrokshop on April 11th |
■Time: 16:00-17:30 |
■Time: 10:15-18:10 |
■Time: 13:30-16:00 |
【報告要旨】 |
本報告は,20世紀以降の西欧における法社会学の発展を辿りつつ,なかでも「生きる法」という非常に影響力を持った理論的概念に注目する。しかしその際,報告者は,この「生きる法」の概念とそれに嚮導された研究プログラムとが,従来のままでなお有用であるとは考えない。本報告が論じようとするのは,高度に多元主義的でグローバル化しかつ分化した今日の規制システムのもと,そしてまた法社会学の現代的展開のなかで,法社会学が過去の理論的伝統からの連続性を維持するためには,従来の(しかし今日では時代錯誤となりつつある)中核的概念のいくつかを根本的に改鋳しあるいは棄却することが必要である,ということにある。 |
【講演者の紹介】 |
Roger Cotterrell教授は,今日の法社会学・法理論をリードする研究者のお一人であり,着実かつ稠密な学説史的検討を基礎に据えつつ今日の法と社会の具体的状況に切り込んでいくその議論は,他の追随を許さないといってよいでしょう。Law's Community (1995)/ Law, Culture and Society (2006)/ Living Law (2008) などの論文集はいずれも法理論への重要な寄与として広く読まれ,また,The Politics of Jurisprudence (2nd ed., 2003)とThe Sociology of Law: An Introduction (2nd ed., 1992)の2冊は法社会学・法理学を学ぶ大学院生にとって最初に読むべき基礎文献という位置づけを得ています。 本報告でCotterrell教授は,日本における法社会学の展開との対比をも視野に入れつつ,「生きる法」概念の再洗練の作業を試みられます。社会学的法概念論という・法社会学の基盤というべき主題に正面から挑むご報告は非常に刺激的です。また本ワークショップでは,長谷川貴陽史教授(首都大学東京)からもコメンをいただきます。理論と経験的研究との魅力的な接合を図られてきている長谷川教授のコメントは,Cotterrell教授の報告と建設的な切り結びをするに違いありません。 教授は,当日の議論を活発なものとするため,参加者の皆さんによる報告ペーパーの事前参照を希望されています。参加予定のかたは,神戸大学法学研究科ウェブサイト(http://www.law.kobe-u.ac.jp/STP/GMAPs/programme_04⒒html)に掲載されているペーパーに予めお目通しください(当日までに,日本語試訳版も掲載する予定です)。 高橋裕(神戸大学大学院法学研究科教授)
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