概要

神戸大学大学院法学研究科の特色

特色1 充実した専門授業

 法学と政治学は、人類社会の形成以来の蓄積を持つ、伝統のある学問分野であると同時に、現在でも新たに生起する様々な問題の解決に取り組んでいる若々しい学問分野でもあります。これまでの学問的な蓄積を踏まえ、最新の研究動向を理解すること、こうしたオーソドックスな力を身につけることこそが、大学院教育の根幹であると私たちは考えています。

特色2 きめ細かな論文指導

 「書くことは考えること」です。専門的な知識や情報を修得したと本当に言えるためにも論文の執筆に是非取り組んでもらいたいと考えています。法学部の教育では卒論を課さないところが多く、また近年では大学院でも論文執筆を課さないところも増えていますが、本研究科では、各人が論文の執筆を円滑に進めていけるよう、指導教員が一対一できめ細かく指導をしていきます。

特色3 豊富な教授陣

 大学院教育は、研究との繋がりがより密接になる分、学部教育以上に教員の研究者としての質と量が問われます。本研究科が国内トップクラスの教員を揃えていることは、単なる自負で終わるものではありません。法学・政治学に関する専門雑誌を一度でも開いてもらえれば、本研究科の教員が研究成果を積極的に公表していることを実感してもらえるはずです。本パンフレットの、または大学院のホームページで公開されている教員一覧を見ていただければ、教員のバックグラウンドの多様性、カバーする専門分野の広さが一目で分かることと思います。

特色4 多様なバックグラウンドを備えた学生

 このようにオーソドックスで幅広い教育内容を用意していることに加え、いわば「入口」となる入試制度において、できるだけ多様な学生を迎えることができるよう、多くの入試方法を用意しています。具体的には、一般入試のほか、留学生、社会人経験者、法曹有資格者それぞれに向けた入試を用意しています。

 この結果として、本研究科には、国籍も年齢も多様な学生が在籍しています。中国や韓国をはじめとするアジア各国の他、欧米からの留学生もいます。学部を卒業したばかりの学生と並んで、社会で活躍しながら、あるいは豊富な社会経験を経た上で改めて学究生活に戻ってきた学生、そういった様々な学生がともに議論をし、お互いの知見を共有できるのは、専門職大学院には見られない特色です。

特色5 ニーズに合わせた多様なカリキュラム設計が可能

 「入口」とならんで「出口」も多様であることを意識して、本研究科のコース制度は設計されています。将来の研究者を目指して学位論文執筆を主たる最終目標に設定するケースもあれば、社会人として活躍するために、学部段階以上の、より高度で幅広い専門知識の取得を主たる目標として掲げるケースもあることを念頭において、それぞれに対応した科目取得ができるよう、カリキュラムを編成しています。また、特に社会人の場合には、1年ないし1年半で前期課程修了を可能とするなど、各人の学習環境や学習目標に合わせた形での履修が可能となるように努めています。

特色6 ジャーナリズム・プログラムによる調査力と発信力の涵養

 特色1と2で述べたように、オーソドックスな法学・政治学教育では、学術文献を読み、論文を執筆することがインプットとアウトプットの基本です。本研究科はこれに加えて、別形態のインプットとアウトプットの力も身につけてもらいたいと考えています。それがジャーナリズム・プログラムです。リアルタイムの出来事を正確に理解すること、出来事の背景を掘り下げること、そういったジャーナリズムで必要となるインプットの手法、そして広い一般読者に向けた文章の作成、映像・音声を使ったプレゼンテーションといったアウトプットの手法、こういったものを、経験豊かなジャーナリストの講師から学ぶことができるのです。ジャーナリストを目指す学生にとってはもちろんのこと、そうではない学生にとっても得るものの多い講義です。

特色7 EUIJや凌霜賞などによる海外での研究に対する支援

 本研究科自体が国際性に富んでいるとはいえ、やはり海外での生活に身を置いてこそ見えてくるもの、得られるものが確実にあります。できるだけ多くの学生が海外での経験を得られるよう、本研究科では幾つもの支援策を用意しています。提携校などのネットワークはもちろんのこと、本学が幹事校を務めるEUインスティテュート関西を通じ、奨学金やインターンシップの機会を得ることができます。また、六甲台後援会の支援を得て、海外での勉学に対する奨学金が毎年用意されています。

特色8 TA・RAの機会提供を含め研究環境の充実

 勉学をするにも先立つものは必要です。そこで本研究科はTA(ティーチング・アシスタント)・RA(リサーチ・アシスタント)の機会を提供することに力を入れています。TA・RAとは聞き慣れない言葉かも知れませんが、それぞれ教員の教育補助、研究補助を大学院生が行うことで、対価を得られる仕組みです。これにより、教育や研究の進め方を実地で経験できるとともに、勉学に必要な金銭の一部を手にすることもできます。この他、学生研究室や図書の受入など、皆さんが研究をする上での、「インフラ」にあたる部分を整備することにも努めています。

特色9 社会のコアを支える多くの修了生の存在

 私たちの教育が本当に成果をあげているのか、その疑問に本当の意味で答えてくれるのは、実際に本研究科を巣立っていった修了生たちが、いかに生き生きと社会を支えているかという事実だと考えます。修了生たちが実に多様な進路に進んでいることを本パンフレットの情報で確かめてください。そうすれば、本研究科を経由することで、皆さん自身の目標にどのように近づいていけるか、その手懸かりを得ることができるのではないかと思います。

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