外部へ興味を持つこと、弁護士の可能性

覺道 佳優 さん

第6期修了生
北浜法律事務所・弁護士

ご経歴
2009年3月 北海道大学法学部卒業
2011年3月 神戸大学法科大学院修了
2011年9月 新司法試験合格
2012年12月 司法修習修了(65期)、弁護士登録(大阪弁護士会)、北浜法律事務所・外国法共同事業入所

神戸大学法科大学院を修了され弁護士となられた、覺道佳優先生にインタビューを行いました。先生は本法科大学院を首席で修了され、全国でも有数の大手事務所に入所、現在は企業法務・労務等を主要分野としつつ、幅広い分野を手掛けています。理想の将来像と合致する法曹志望者も多いのではないでしょうか。
そのような先生が、普段どのような業務を行っているかについてのさらに深いところや、弁護士を目指した理由、神戸大学で学んだことの利点、現在・学生時代の勉強法等について質問に答えていただきました。皆様の進路選択に役立てば幸いです。

現在の仕事内容の詳細をお聞かせください

先生の業務机。PCを用いての業務も多い。

現在の業務内容は、企業法務、つまり企業をクライアントとする仕事が多い中で、色々な業務分野に関わっています。今弁護士4年目で、専門を絞るというよりは幅広くやるスタンスです。その中で主要分野が出てきました。その1つが労務です。労務というのは、日々の労務相談であったり、労働審判の対応であったり、他の人があまりやっていないものでは団体交渉の対応等ですかね。もう1つ良く扱う分野としてはM&Aのデュー・ディリジェンス(調査活動)、株式譲渡契約、合併契約の作成等広い意味でのコーポレート業務です。最近はファンド組成も多いです。投資事業有限責任組合契約に関する法律(ファンド法)に基づく出資形態が多いので、それに基づいて、そのスキームで良いのか等アドバイスしています。

上記の中で大規模なものは事務所内でチームを組んで仕事にあたることもあります。そのようなことが出来、大規模な仕事にも携われることが大きい事務所で働ける魅力ではあるのかな、と思います。

そのほか、コーポレート案件の他にも、訴訟案件を多数担当していますが、訴訟案件についても、コーポレート案件同様、やりがいがある事件です。

このような仕事の魅力はどういうところにありますか?

労務問題については、やはり企業の方々が非常に困っている問題であって、それを助けてあげられることですね。例えば会社との関係で上手くいっていない社員がいるという場合でも、最後に判断するのは会社だけど、弁護士の判断が一定のウェイトを占めます。責任は伴いますが魅力と言えますね。

あとファンド組成やコーポレートというのは、先に進んで行くことについてのお手伝いで、前向きな仕事ですし、自分が助言し、企業合併や株式譲渡がされていき、スキームが完了しプレスリリースされていくもので、達成感も大きいです。

全体に言えることは真摯に向き合えばクライアントの方からも必ず評価していただける、自分次第でいくらでも道を切り開ける点も魅力と言えます。

現在の仕事の数年先、将来の展開について思い浮かべているものはありますか?

分野的には、労務はこれから魅力のある分野だと思います。クライアントから信頼を勝ち取る資源になり得ます。しかし幅広く扱いたいです。訴訟、交渉により紛争を解決してクライアントの満足を得るのは得意ですし、好きなので様々な分野でお役に立ちたいです。

そんな先生ですが、弁護士を志すきっかけはどのようなものであったのでしょうか?

法曹志望という意味では、漠然と小学生の時くらいから目指していました。文集にも書いていましたね。大学、法科大学院生時代は検察官になりたいと思っていました。ドラマ等の影響もあったでしょうが、ロースクールに行くと実際に検察官の方と話す機会もあって、そこで面白い仕事だなと感じました。修習時代も検察官と弁護士とで迷いました。弁護士という仕事は、依頼者のため今まで自分が培ってきた法律知識を駆使でき、また、検事は刑事裁判が主である一方、弁護士は幅広く、M&A、訴訟代理人、調査案件等を担当できる点が魅力的でした。どっちにもなりたかったですが、弁護士にした決め手はやはり幅広く業務が出来ること、それに、うちの事務所の先生が誘ってくださったことです。

弁護士と言う業務上日々勉強が必要だと思います。現在あるいは学生時代の、勉強の秘訣はありますか?

大量の書籍が並ぶ。必要な知識を日々取り入れる。

労務と関わる、労働法は大学院の先生に習うとほぼ全分野専門な知識が得られるので、あとはそれをアップデートしていく形です。今でもプロフェッショナルには残業代を払わなくていいのではないかとか、一年契約の人を5年雇い続けたら無期転換という形で雇用しないといけないのでは等日々国会で話し合われていて、日々法律が出来ていくので、それを追いかけるという作業が多いです。又、労働法は判例法理なところがあるので、判例を追っていきます。

他についても一緒なんですが、ガイドラインが出たり、判例も次々出るため、それをアップデートするのが今の仕事における勉強です。

ロースクールではそういうアップデートはしていかず法律をざっくり学ぶ、その違いはあると思います。

秘訣と言いますか、今でも活きているのは、ロースクールでは周りに論理的な友達がいて、その人は論理がふわっとしたままにするのが嫌いで、常になんでそうなるのか話し合っていました。5人くらいでゼミを組んでいたのですが、日々何故ある判例はそのように判示しているのか、どういう理論構成で答案を書いたのか、そういう理論的なところをつきつめる作業をしていました。それが効果的だったのではないでしょうか。

それによって司法試験でどのような問題が出ても「応用が利く」ようになりました。現場対応能力も上がり、理論的に考えられるように。そのあたりが秘訣というか、うやむやに終わらせないというのが今にも繋がっていると思います。ある程度暗記はしないとだめなんですが、暗記するにしてもどういう理論構成でそういう判例、条文になっているというのがわかれば効率は違いますから。

神戸大学法科大学院を選んで良かったところは?

周りの環境が良いところですかね。理論派の友達が多かったし、ゼミのメンバーともウマが合いました。楽しいこともしましたが、閉めるところを閉める勉強していた。院全体としても仲が良いです。今でも全員と連絡が取れるほど。教授の先生を含めた親睦会等もあり、先生とも仲良くなりながら質問も行えます。熱心な先生が多く、お話も理論的に通っていて、授業の聞きがいがとてもある点も良いです。

そして24時間開いている自習室で、山の上という誘惑もない場所。人数もとても多いわけでなく質問もしやすいです。

現在の法科大学院生、これから法科大学院に入学しようと考えている人等、法曹志望者に送るメッセージをいただけますか?

覺道さんにはいろいろな質問に終始快活に応じていただいた。

学んできたことをそのまま活かせる仕事だと思います。そのような仕事はあまり多くないです。勉強はしんどいし嫌な部分もあったけど、それが活かせるのは恵まれています。なので、とにかく勉強を頑張ってほしいです。

後は弁護士が増えて、仕事がない等言われていたりもしますが、ちゃんと対応すればそれなりにクライアントも来ますし悲観する必要はないです。

そして特に大学院生について言えるのは、エクスターン、検察庁訪問、サマークラーク、ロールーム(主に学生を対象に、最前線の実務についてどのようなことを行っているか弁護士の方々が講演する会合)等、外部に出てほしい。実務ってどうなっているのか、そういうのを知る機会に飛び込んでいってほしい。出てみないと何も分からないので、そういう機会があるのに利用しないのは勿体ないです。実務のイメージを掴んだ後の方が勉強もビジョンのあるものになり、それに向かって頑張れる。

弁護士等の法曹関係者になるわけだから、しんどい道です。しかし、その後に待っている道は明るいと言えます。自分の力で切り開ける、魅力ある職種ですので頑張ってください。

お忙しい中ありがとうございました。さらなるご活躍を期待しております。

インタビュー実施日・場所:2016年6月25日 北浜法律事務所
インタビュアー及び記事編集者:寿優悟

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