企業勤務から弁護士へ~弁護士の魅力と法科大学院で学んだもの~

森田 博 さん

第2期修了生
弁護士法人淀屋橋・山上合同 弁護士

ご経歴
1996年 3月 岡山県立岡山芳泉高等学校卒業
2000年 3月 大阪大学法学部卒業
2000年 4月 松下電器産業株式会社入社(現在、パナソニック株式会社)、法務スタッフとして勤務(2004年3月まで)
2004年 4月 神戸大学法科大学院未修者コース入学
2007年 3月 同修了
2007年 9月 新司法試験合格
2008年 12月 司法修習修了(新61期)、弁護士登録(大阪弁護士会)
2014年 4月 弁護士法人淀屋橋・山上合同パートナー就任

公務・役職等
2011年 4月 河内長野市開発事業紛争調停委員

法科大学院へ入学した経緯を教えてください。

私は、松下電器産業株式会社(現在、パナソニック株式会社)の法務スタッフとして4年間勤務した後、2004年(平成16年)に神戸大学法科大学院未修者コースに入学しました。

法務スタッフとしての今後のステップアップとして、法律を基礎から勉強する必要性を感じていたことが法科大学院への入学を目指すきっかけでした。そこで、入学当初は、法曹資格取得後に、企業内に戻ることも選択肢の1つとして考えていました。

現在、どのようなお仕事をされていますか。


弁護士法人淀屋橋・山上合同法律事務所事務所(大阪)の受付

現在は、弁護士法人淀屋橋・山上合同法律事務所にて、パートナー弁護士として執務しています。

当事務所は、「世界中の人々のあらゆる法的ニーズに応える」ことを目標に掲げており、倒産事件、知財事件、M&A、債権回収、不祥事対応、渉外事件といった主に企業を中心としたご依頼のほか、相続、離婚、刑事事件といった主に個人を中心としたご依頼も多く承っています。

私自身は、企業に勤務していたということもあり、企業法務に関する案件を比較的に多く扱っています。企業間の裁判や交渉事件などの事件受任に加えて、紛争になる前の法律相談も日常的にお受けしています。

定期的にクライアントのオフィスにお伺いして、法律相談を受けるという形態でのご依頼も少なくありません。この場合、気軽に相談できる企業内法務スタッフのような位置づけを期待されることも少なくありませんので、企業内で法務スタッフとして働いた経験が活きている面もあるのではないかと考えています。

企業法務以外の、相続、離婚、刑事事件などの事件も多く取り扱っています。企業の経営者の方々の個人のご相談や、従業員の方々のご相談も少なくありません。

現在のお仕事にどのような魅力を感じておられますか。


インタビューの様子。弁護士の魅力について語ってくださる森田さん

弁護士に限りませんが、1つも同じ事件はないという点に魅力を感じています。

専門分野に特化すれば違ってくるのかもしれませんが、私自身は幅広い事件の依頼を受けておりますし、また同じ種類の事件でも、クライアントや相手方によって事件に対する考え方が異なりますし、もちろん、代理人として登場する弁護士によっても事件の解決の仕方が異なります。

そうした中で、それぞれの弁護士が、依頼者のために、事件の解決に向けて、創意工夫できるのが弁護士の魅力の1つです。

さらに、当事務所のクライアントは、金融機関、マスコミ、小売、メーカー、医療法人、建設、医薬品、食品などと様々な業界にまたがっているので、ご相談・ご依頼の都度、各業界の仕組み、慣習等はもちろん、様々な経営者の理念、企業風土に接する経験に恵まれています。

加えて、債権を回収する側・される側、加害者・被害者、使用者・被用者などと、事件に応じて、異なる立場に立って、代理人として、依頼者の意向を叶えるべく、執務を行うことができる点も魅力だと思います。

逆に、お仕事で苦労されている点はありますか。

時間管理です。どの案件も、丁寧に対応したいとは思いますが、際限なく時間をかけるわけにもいかず、効率よく仕事をすることを心がけています。

しかし、前述のとおり、それぞれの事件が、違う事情、法律上の争点を含んでいますので、効率化には限界があります。

将来どのような方面に仕事を進めていきたいですか。

今後ますます法律、判例、裁判実務に関する情報へのアクセスが容易となり、このことは、これまで専門的だといわれてきた分野でも同様だと思います。

そうした情報のアウトプットの能力に加えて、これまで以上に弁護士に求められるのは、事件処理の経験に基づく事件解決能力だと思います。

そのためにも、貪欲にさまざまな経験を積み、依頼者の期待に応える弁護士でありたいと思います。

法科大学院で学んでよかったことや仕事に役立ったことはなにか。


森田博さん

弁護士として、日常的に、裁判官と、相手方(代理人)と、そして依頼者と議論をする中で事件処理をする必要があるのですが、その基礎となる理論は、やはり法科大学院で学んだものです。

法曹実務では、基礎的な理論を知識として知っているだけでなく、それを自己の依頼者のために有利に活用する必要がありますので、法科大学院では、教授陣とのソクラテスメソッドや授業後の質疑応答などを通じて、基礎的な理論を活用する力を養っておくことが重要ではないかと思います。

また、法科大学院では多くの判例に接する機会があります。法科大学院で学び始めたころは、その取り扱う判例の多さに驚くこともありましたが、法律文書はどう書き進めるのか、実務で条文がどのように適用されているのか、学説や過去の判例が、どのように意識されて結論が導かれているのか、どのような事実が事件の結論を左右する鍵となっているのかなどは、判例を丁寧に読むことで学ぶことができます。

したがって、各分野の専門家の指導の下で、判例などの教材を中心として学習する法科大学院の授業を履修することは、貴重な経験だと思います。

これから法科大学院に入学しようと考えている方へ一言お願いします。


インタビュー終了時の様子。積極的にインタビューに応じて頂き、
楽しいインタビューでした。

私の場合は、会社を辞めて法科大学院に入学をしましたので、日々、学べるありがたさを感じながら過ごしていました。私と同じように勤務先を辞めて入学した境遇の方も多数いらっしゃいましたので、法科大学院側も、そのような覚悟に応えるだけの、十分な教授陣、カリキュラム、学習環境を整えてくれていたと思います。

確かに、入学当初は、勉強していることが本当に将来の自分の力につながっているのか不安を抱くことが多かったのですが、学習方法を含め、教授陣や同期の学生などと日々相談しながら、時に軌道修正し、時に励まされながら、学習を続けることができたので、しばらくすれば、自分なりに信念を持って勉強を進めることができたように思います。 先ほど述べたとおり、弁護士の仕事は有意義で魅力のある仕事ですが、別の立場から事件に関与する裁判官や検察官も魅力的だと思います。法曹を目指している方々は、ぜひ法科大学院へと進学していただき、将来皆様のご活躍に必要な基礎的な能力をしっかりと培っていただければと思います。

ありがとうございました。さらなるご活躍を期待しています。

インタビュー実施日:2016年3月17日
場所:弁護士法人淀屋橋・山上合同法律事務所(大阪)
インタビュアー及び記事編集者:青木祐也

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