ワークショップ企業内法務

WS企業内法務について

この授業は「企業法務部門の真の姿」をお伝えしようとするものです。企業の法務部門の現役担当者による基本的事項の解説、事件・案件の体験談、そしてワークショップなど、バラエティに富んだ連続講義を展開します。また、弁護士資格保有者による企業内法務と外部事務所の比較、さらには「外部の視点」として外部弁護士からみた企業法務のあり方についても、取り上げます。

現代企業は、国内外の激しい競争の中で、様々な利害を調整しながら健全かつ持続的に成長することが求められています。そのため、法務部門は、高い法律専門性をもとに、事業部門における事業内容と戦略を理解しつつ、経営陣との意思疎通を図り、さらに社外の関係各所との折衝を重ねます。コミュニケーション能力や、社内外のネットワークリソースを駆使して、バランス感覚に富んだ解決策を提示し、社内・社外の関係者の信頼を得ながら、仕事を進めていく必要があるのです。

その様子をつぶさにお伝えするこの授業を通じて、皆さんは、日本企業の法務がいかにグローバルであるかに驚かれるかもしれません。また、立法や行政と接触し、日本や各国のルールの作りに深く関わっている様子、そして、海外子会社を含めて、企業内だけでも 多くのステークホールダーと調整する必要がある様子は、初耳かもしれません。皆さんの予想を超えたお話ができるのではないかと、ひそかに自負しています。この授業は、神戸大学の法務関連の同窓組織である「六甲法友会」の全面的なバックアップで運営されています。講師は、企業法務部門の大ベテランから中堅や若手、そして企業内弁護士や外部弁護士まで多士済々です。ほぼ全員が神戸大のOBOGですから、皆さんとお会いすることを、とても楽しみにしています。

平成28年度のシラバス(一部)
第2・3回 コーポレートガバナンス法務(1・2)
第4・5回 実務体験(1・2)
第6回 ワークショップ「立法過程における企業内法務」
第7・8回 リスク・コンプライアンス(1・2)
第9・10回 実務体験(3・4)
第11〜13回 高度専門法務(1〜3)
第14回 ゼネラルカウンセル論
第15回 高度専門法務(4)

受講生の声

外部弁護士と企業内弁護士の住み分けについて疑問に思っていましたが、企業内弁護士が外部と内部をつなぐ重要な役割を担っていることがわかり、興味が出てきました。

法務部が会社の意思決定の根幹に関わることが意外でした。トラブル・リスク対応以外にも役割が幅広いことを知ることができました。

企業をひとくくりにした抽象的な話と、各業種に焦点を当てた話とは、共通するところもあるが、異なるところもある。前者のタイプの話を聞く機会はあっても、後者のタイプの話を聞く機会はほとんどないので、新しい発見や新たに思うところがあり、大変興味深かった。

リーガルマインドとビジネスマインドの両方が必要であり、他社との争いがあれば交渉が重要であることがわかりました。

法務部にとってのクライアントは社内にいるというお話は、大きくイメージを変える言葉でした。

企業内法務WS講師より

企業内法務WS講師 榊原 美紀

榊原 美紀

1992年3月 神戸松蔭女子学院大学文学部卒業
1995年 司法修習
1997年4月 センチュリー法律事務所
2000年3月 神戸大学大学院法学研究科修士課程修了
2001年6月 ボストン大学ロースクール修了(LL.M.)
2002年9月 フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所
2003年10月 パナソニック株式会社(〜現在)

WS企業内法務の学生にとっての意義

学生は、WS企業内法務の受講時点では、自分の将来を決めておらず、選択肢の幅を増やしたいという人が多いです。そこで、企業の法務部門の現役担当者による解説および体験談を中心に、法律事務所、任期付き公務員(中央省庁や地方公務員等)など、多岐にわたる経歴の講師陣から、それぞれの仕事やキャリア形成について説明を聞ける貴重な機会を用意しました。

法律事務所からすると、企業はお客様です。ですから、法律事務所の弁護士は、企業の本音を聞けないことが多いです。従来の「企業法務」の授業は、外部の弁護士によるものがほとんどで、企業の内部を知る人による講義ではありませんでした。

WS企業内法務では、企業内の人も、企業外の人も講師をしていますので、企業の真の姿を知ることができるという特色があります。これは、学生だから得られる貴重な特権です。

授業後の懇親会では、必ず名刺交換をして、学生と連絡先を交換しています。お互いにメールアドレスがわかっているので、学生のほうから、就職や司法試験に関する相談を受けることもありますし、人脈の構築もできます。

弁護士の働き方とWS企業内法務

以前は、最初に選んだ選択肢のまま、キャリアを形成する傾向にありました。最近では、法律事務所と企業を行き来する人が増えています。また、任期付き公務員も選択肢に入ってきました。キャリアの流動化が進んでいます。弁護士のキャリアで、組織の内外のいずれが自分に合うのかはやってみないとわかりません。法廷向けの勉強しかしていないと、企業や官庁に入ってからとまどいます。早期の段階から、複数の選択肢についてイメージを持つことができる点が、この授業の利点です。

企業内で働くことの意義

企業に入ると一体何が違うのかとよく聞かれます。まず自ら当事者になれること。さらに、企業の意思決定に直接関与できること。自分たちがやったことが会社の競争力を強化したり、方針を変えたり、目に見えて役に立つということを当事者として実感できるところに一番やりがいも生きがいも感じます。

ただ、企業によって随分違いがありますので、多岐にわたる業種の講師陣の話を聞くことで、その違いも実感できるでしょう。

OB・OGだからできること

この授業は、神戸大学の法務関連の同窓組織である「六甲法友会」の全面的なバックアップで運営されています。講師は、業種も年齢も幅広く、大ベテランから中堅や若手、そして企業内弁護士も外部弁護士まで多士済々です。法科大学院の後輩に法曹の道で成功してもらうため、非常に熱心に取り組んでいます。長い年月をかけて築き上げてきた同窓会のネットワークを凝縮したのが、この企業内法務WSと言っていいと思います。

日経新聞「"企業人"を育成」

日経新聞「企業人を育成」