外国法の授業・海外インターンシップ

神戸大学法学研究科教授 齋藤 彰

齋藤 彰

神戸大学法学研究科教授(国際取引法担当)。
神戸大学法学部卒。
商船三井に勤務の後、神戸大学大学院・アバディーン大学大学院修了。
関西大学法学部教授を経て2001年から現職。
パリ13大学・ダンディー大学客員教授。

外国法教育

GlobalLink2014

外国法の知識は実務的にも重要になってきています。それは私達の生活や経済活動のグローバル化がもたらした当然の結果といえます。法科大学院で外国法の基礎知識を学んでおけばその法律調査が容易になります。講義を担当する海外の研究者や実務家と知り合いになれば、そのネットワークは将来の皆さんの仕事に直接に役立ちます。

しかし何よりも、日本と海外との法制度を比較するのは楽しいものです。社会生活において人々が遭遇する問題には、世界中で共通のものが少なくありません。そして優れた法律家の思考方法は、国を問わず驚くほど似通っています。具体的な法的対応には地域毎の偏差があるけれども、法律家同士はその違いが意味するものを相互に理解し、それらの比較から極めて多くの示唆を得ることができます。神戸大学法科大学院では、こうした視点から日本人教員だけでなく、海外の研究者や実務家が担当する講義など、多彩な外国法の教育を展開しています。

マレーシアでの海外インターンシップ

アジアを代表する都市の1つとなったクアラルンプールでビジネス法務を体験するインターンシップが開始されたのは 2009 年の夏のことでした。クロスボーダーの業務を得意とする法律事務所であるJLPW(http:// www.jlpw.com.my)で1〜3ヶ月のインターンシップを行うプログラムであり、神戸大学からすでに約100名の学生が同事務所に滞在し法律実務を体験しました。 現在では法科大学院の正規科目として単位認定がなされ、奨学金制度も整ってきました。

マレーシアはイングランド法を継受した法域であり、ビジネス法務はすべて英語で行われています。またイスラム教を国教としており、優れたイスラム法研究者が多いため、イスラム金融やハラル適格の認定などの重要なビジネスの拠点として注目を集めています。最近では日本企業がASEANとの連携を強化してきており、そうした海外進出に関する法律業務のハブとしても、マレー シアの存在感が強まってきました。またインターン生は、英語での法律業務だけでなく、海外で生活する経験やASEAN諸国を訪問する機会を得ることができます。このインターンでの経験を活かし、国際的なビジネス法務や国際仲裁などの分野で活躍する若手法律家が次々と生まれてきています。

また2015年度からは台湾有数のローファームである萬國法律事務 (http://www.taiwanlaw.com) にもインターン派遣を開始しました。さらにベトナム、インドネシアなど日本企業との結びつきの強い地域を中心として、国際ビスネスに関する法律業務を専門とする優れた法律事務所をパートナーとして、皆さんの将来に役立つインターンシップのプログラムを積極的に展開してゆきます。

参加者の声

弁護士法人大江橋法律事務所 中山 貴博

中山 貴博

弁護士法人大江橋法律事務所 弁護士
神戸大学法学部卒、2011年神戸大学法科大学院修了。
司法修習生(65期)を経て、現職。

私は、2011年6月から9月までの約3か月間、マレーシアインターンプログラムに参加しました。私は、このインターンが非常に素晴らしい制度であると確信しており、ここでは、参加者として、皆様にこの制度の魅力についてお話させていただきます。

現地では、各弁護士から様々な課題が提供されるのですが、そのいずれもが刺激に溢れるものばかりでした。ある弁護士は、「分かるまで議論しよう、法律も英語も分からないことは一緒に調べよう」と言い、彼とは長時間にわたり議論をしました。また、事務所のボスから出された課題が難しくて困っていたところ、他の弁護士がヒントをくれるという一幕もありました。他にも、M&A案件のキックオフミーティング等の会議又は裁判所における期日に同席するなど、これらはほんの一例にすぎず、彼らは常に親切で、忙しい中我々に時間を割いてくれました。

また、弁護士のみならず、多くの職員が惜しみなく時間を共にしてくれたお陰で、食事や旅行に何度も行くことができました。

これらの経験は、法律知識や英語能力の涵養のみならず、外か日本を見ることや、難しいことを簡単に伝えることの重要性を再認識する契機となる等、様々な形で今の私の糧となっています。また、今でも交流が続く多くの友人ができたこともかけがえのない財産です。

実務家になってから、海外にてインターンを経験するということは非常に困難ですが、神戸大学LSでは、インターンへのアクセスが確保されており、これほど恵まれた環境は類を見ません。
皆様が、神戸大学LSで充実した生活を過ごされるとともに、マレーシアインターンプログラムを通じて飛躍の機会を得られることを心より祈念しています。

国際商事仲裁

国際商事仲裁

国際商事仲裁は、国際ビジネスにおける標準的な紛争解決方法として定着してきた。しかし、日本企業はそれを十分活用することができておらず、それは日本企業の国際競争力にも影響を与えかねない深刻な状況にある。神戸大学は、国際商事仲裁・投資協定仲裁の研究教育の日本における拠点となるべく、仲裁の実務経験を有する外国人教員を確保するとともに、海外の有力な仲裁法律家や世界中の仲裁機関とのネットワーク作りに取り組んできた。